後日談メール質疑応答
GAHです。 1998.10/22 Leopapa wrote: > いろいろご協力を得まして,順調に報告ページ作成も > 進行しています。 > 昨日の夜ビデオをひと通りチェックしてみて > あらためて感動しました。 > すっすっす,すばらしい会合でした。 > > しかし残念な事に,懇親会での情報が空白状態です。 > こぼれ話し等ありましたら,ご一報下さい。 こぼれ話というわけではないんですが、最初の感想メールは本当に感想だけで、 内容については何も書いてませんでしたから、自分自身のメモとしてまとめて みようと思います。 まず、高専の先生のお話「コンカレントエンジニアリングにおける金型製作とCAD」 のことです。 「3次元設計を行なうには、3次元のリテラシー(literacy=能力・素養)が必要で、 自分の思考に操作が追いついてくるかどうかが重要である」 改めて言われてみると、この部分は3次元設計を行なう以前のハードルみたいな ものなんです。 とにかく、手がついていかない。自分の思ってる形が作れない...みたいなことに なって、設計以前に伸び悩む人もいます。 けれども、このハードルを超えたからといって、それで済むわけではなくって、 今度は、本当の設計にどう使っていくかという事になります。 手書き図面のときは、設計者の中で「製図ができる」=「設計ができる」と 誤解されていた様な人は、2DCADが普及しだすと、奇麗に図面を描く以外の 本来の設計能力で評価されだしました。 ところが、しばらくすると「2DCADの操作ができる」=「設計ができる」 みたいなことも起こってきました。 もちろん、そんなことは仕事をさせてみればわかる分けですが、最初はごまか されてしまう時もあります。 3DCADは操作が2DCADと比べて難しいこともあって、またまた 「3DCADの操作ができる」=「設計ができる」みたいな雰囲気でしょうか。 ただ、モデリングにしても設計知識を抜きにしてできないわけで、単純ではないと 思いますが。 部品を造るストーリーを思い浮かべてモデリングする。確かに重要ですね。 ただ、ここで対象にしているのは、あくまでも最終形状があるていど明確に なっているものです。 何も無いところから、形状を考えなさい...というのはモデラーにはつらいし、 出来ない事です。 さて、ここからは設計能力の話になるわけですが、設計とは 「個々の知識をネットワーキングする事である」 ということには同感です。 実際の設計現場でも、各担当分野をうまく調整しながら仕事を進めてゆくことが重要 になります。筒井さんが言われる「棟梁」がいいチームはすばらしい結果を出せます。 ここのところの、教育がむつかしいと先生は言われてましたが、やはり、 理論よりも実践的に教える人材、カリキュラムが必要と思います。 私も、奈良高専卒業で、高専は社会に出てすぐに役立つ人材を育成するところだ と言われてました。 最近は、一般の高校とか大学とさほど変わらないのではないでしょうか。 その後の、型設計についての話は、ちょっと感覚がちがうなという印象です。 Hさん、Mさん、どうでしょうか? 〜お風呂&夜のMTGは省略〜 朝、もう一人の専門学校の先生と少しお話したのですが、どういう風に「設計」を教 えればいいのかなということで、例えば、新幹線の先頭部の形状がいろいろあるけど、 あの形を見て、モデリングするのがモデラーで、何も無いところからあの形を 考え出すのが設計だ、みたいなことになりました。 学生に「あるものの形を考えなさい」と課題を出します。 まず、丸や四角や何か単純なものを最初に作り出すはずです。それがどんなに 単純であろうとも、学生は何かを考えて造ったはずです。そこのところを 突っ込んで(そういう先生がいるかどうかは別として)なぜ、そういう形を 思い浮かべたのか...というような授業はどうでしょうか。 Pro/E のモデリング(完成品のモデリングではなく、設計してゆく過程のはなし) でも、この先どういう設計変更があるのか、またどういう風に造っておけば、 予想できない外敵要因にも対応できるのかを常に考えていないと、どうしょうも ないモデルになってしまいます。 金型屋さんに渡すモデルにしても、「マスターモデル」、「シェルモデル」、 「ボス・リブモデル」、「完成品モデル」に分けて渡していますが。 設計過程で生成されるモデルと、金型加工先で要望されるモデルが一致している 訳ですから、特に手間がかかるわけではないのです。 (Mさんの話によると、うちは丁寧にやりすぎ?←うそです) あと、コンカレントな仕事の進め方という面で見ると、金型屋さんとはあまり 出来ていません。なにしろ、途中のデータを渡してしまって、後で変更する くらいなら、最後に完全なデータを下さいと言われていますから。 もちろん、設計途中で金型屋さんと打ち合わせてモデルに盛り込んでゆくと いう意味ではコンカレントなんですが。 Mさんへ。 完全な3Dデータがあれば、金型設計ってほんとうに短縮できますか? 製品設計と同じで、設計時間だけ短縮できたとしても、金型納期は短くでき ませんよね。 --------------------------------------------------------------------- --------------------------------------------------------------------- 箱根オフミ参加者各位 << H やっと懇親会からの動きが見えてきました。 On Thu, 22 Oct 1998 19:47:47 +0900 GAH wrote: > GAHです。 > 1998.10/22 > > ここのところの、教育がむつかしいと先生は言われてましたが、やはり、 > 理論よりも実践的に教える人材、カリキュラムが必要と思います。 > 私も、奈良高専卒業で、高専は社会に出てすぐに役立つ人材を育成するところだ > と言われてました。 > 最近は、一般の高校とか大学とさほど変わらないのではないでしょうか。 私も改めてビデオをチェックしながらまとめをやっていて やっと,うんうん...と先生が言っている事を 客観的に認める事ができました。 正直いって,教育現場に対する不信感があまりにも強くて あの場では素直に聞けませんでした。 先生ごめんなさいね。 それぞれ,問題かかえてるわけですよね。 でもやっぱり,変えて行ってほしいなぁ。 > その後の、型設計についての話は、ちょっと感覚がちがうなという印象です。 > Hさん、Mさん、どうでしょうか? アハハハ,生臭いですからね実際は。 > 金型屋さんに渡すモデルにしても、「マスターモデル」、「シェルモデル」、 > 「ボス・リブモデル」、「完成品モデル」に分けて渡していますが。 > 設計過程で生成されるモデルと、金型加工先で要望されるモデルが一致している > 訳ですから、特に手間がかかるわけではないのです。 > (Mさんの話によると、うちは丁寧にやりすぎ?←うそです) そうなんですよね,本来の姿だと思います。 > あと、コンカレントな仕事の進め方という面で見ると、金型屋さんとはあまり > 出来ていません。なにしろ、途中のデータを渡してしまって、後で変更する > くらいなら、最後に完全なデータを下さいと言われていますから。 > もちろん、設計途中で金型屋さんと打ち合わせてモデルに盛り込んでゆくと > いう意味ではコンカレントなんですが。 時間の関係もあり,森から話しが出ませんでしたが 最終的なデータをもらって,そこからスタートしたのでは あまりENDは早くならないんです。 簡単に言うと,素材発注してから材料が入荷するまでの 時間が,現在の2Dベースならばちょうど, 程よい時間差攻撃になるのですが。 良いデータをもらっちゃうと,素材発注のタイミングも早いし 加工に入れるタイミングはもっと早いんです。 簡単に言うと,加工に入れる準備が出来ても 材料が入荷してないんです。 また,たとえ金型設計期間が半分になったとしても 全体工程からみると,大した事ありません。 金型ENDはそんなにドラスティックに早くはならないんです。 > Mさんへ。 > 完全な3Dデータがあれば、金型設計ってほんとうに短縮できますか? > 製品設計と同じで、設計時間だけ短縮できたとしても、金型納期は短くでき > ませんよね。 その通りです。 そこでパラレルに回すって事に意味が出てきます。 筒井さんも言ってたでしょ。 2週間で金型ENDって。 実際2週間で金型が出来るわけないんですが。 それより以前から型屋が動き出していればよい ということなのです。 20%時点で素材発注をかける 80%時点で加工を始めちゃう 最終データを出してから始めるのではなくて 最終データを出した時にはもう加工がかなり進んで いるわけです。 そうすると,最終データを出してから金型ENDまでの 間の時間だけを比較すれば コリャ,ええワ。という事になる訳です。 あと,問題はそれが予定通りに制御できるか? という事です。 ABのような,型やとしては大所帯なところだと 常に2ヶ月のバックオーダーを抱えています。 すなわち現段階では,ウチでもこれをやろうと すると2ヶ月以上前に工数確保をしなければ ならないということです。 実際これがネックになって,なかなか 事例を作れません。 来年の型があって,相手がProEなんですが Mに殴り込みをかけさせました。 精度管理の話しやらもろもろ... PTCのコンサルが入っているんですけど... やっぱり精度管理は封印されていました。 Mはニコニコ顔で帰ってきましたよ こちらの提案通りにやるという,おみやげを持って。 現在,GAHさんのところの仕事をやっている 型やさんでも出来ると思いますよ。 Tさんを連れて行って,ちょっと脅し?をかけて みてはいかがでしょうか。 ちゃんと話しをすれば,それが可能であるという事は わかってもらえると思いますよ。 --------------------------------------------------------------------- --------------------------------------------------------------------- GAHさま <<< M オフミのとき撮影していた、ビデオを少し見てみました。 結構、わたくし、生意気なことを言ってましたね。 みなさん、失礼いたしました。 > GAHです。 > 1998.10/22 > その後の、型設計についての話は、ちょっと感覚がちがうなという印象です。 > Hさん、Mさん、どうでしょうか? たしかに、 抜き勾配を決める。パーティング、取り数、ゲートの配置位置 など決定すれば型として成り立つわけですが、、 型屋の特徴などにより、工事の流れ方など それぞれ特化した部分があります。 各型屋が所持している設備に対してはどうか、 作業する人員に対してどうか、など 様々な要因によって金型設計スタイルが変化すると思います。 金型の基本設計というものはデスクワークなどの共通の教育で 習得することは可能です。 しかし、設計法習得後、各々の特化した部分に合致する設計を行わなければ いけないのが事実です。 その特化部分たるもの、そうとう生臭いですね。 > Mさん。 > 完全な3Dデータがあれば、金型設計ってほんとうに短縮できますか? > 製品設計と同じで、設計時間だけ短縮できたとしても、金型納期は短くでき > ませんよね。 確かにおっしゃる通りです。 完全な3Dデータを受け取った場合、短縮できる部分は 金型設計の一部でしかありません。 金型完了までの全行程と比較すると、ほんの数%しか短縮 しないのでは、ないでしょうか。 そこで、最終データが出来上がる前に、型屋が動き出しちゃおう ということなのです。 しかし、この事に関して問題があります。 意匠形状変更は出来ないという問題です。 その他はHが言うように、バックオーダーを抱えているため 工数確保のための早めの受注が必要になってしまいます。 どうも、このへんがちょっとネックになっております。 いろいろとお話などありがとうございました。 また、お会いできる日を楽しみにしております。 --------------------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------------------